Kukangendai – Tracks (CD)
Kukangendai – Tracks (CD)
レーベル: Leftbrain – LEFT2
フォーマット: CD
1.Burst Policy
2.Look at Right Hand
3.Beacons
4.Fever was Good
5.The Taste of Reality
6.Hatsuentou
盤質: NEW
スリーブ: NEW
Stephen O'Malley、坂本龍一、劇団地点など様々なアーティスト達とジャンルを超えた場面で楽曲制作を行う3ピースバンド、空間現代の新作アルバム"Tracks"。今作もミニマル、カッティング・リフレイン、エラーを主体とし、一貫したスタイルで沸点を高め続けた作品集。
HEADZ代表の佐々木敦とサウンド・クリエイター角田俊也によるライナーノーツと、特典ステッカー封入。
-レーベル・インフォ-
"Tentai"、"After"、"Tracks"の3枚のアルバムは、バンドの軌跡におけるホップ、スキップ、ジャンプのようなものだ。"Tracks "は、"Kukangendai 2 "と "Palm "に続く、彼らの第3の飛躍とも言える。ヴォーカル・パートは完全になくなり、自己完結型の各トラックはさらに多様で、想像力豊かだ。中には「ポップ」あるいは「ダンサブル」と表現できるものさえある。彼らは明らかに新しい段階に入った。
"Tracks"では、"After"以降の作品におけるラテン風味(?)のアンダーカレントが前面に押し出され、これまでになく多彩なリズムパターンを披露している。その変化をリードしているのは間違いなくドラムだが、「違い」から「波」へのバンドのモード・チェンジはベースとギターからも生まれている。横ノリ、縦ノリ、斜めノリ......どのようにグルーヴを操るようになったのか、その進化には正直驚かされる。
しかし、それが彼らにとって新しいサウンドだとは言わない。例えば、トータスも同じようなスタイルの変化を経験した。しかし、空管台の進歩は、異なる動機とメカニズムに基づいている。ひとつは、メンバーの音楽的嗜好の変化に違いない。もうひとつは、より重要なことだが、彼らの差異と反復の使い方である。ギャップ作りの反復は、無数の効果音のバリエーションを生み出す可能性を秘めており、必ずしも、あるいは主に他のアーティストの直接的な影響を受けているわけではなく、彼らがやってきたことから自然に新しい音楽が生まれる。
新しいアルバムの中には、例えばどこかラテン的で、これまでの空感台の音楽とは異質すぎるように聞こえる曲もあるかもしれない。しかし、彼らはこのアルバムにそのようなサウンドを導入するつもりも、既存のジャンルにアプローチするつもりもない。彼らは自分たちで何かを生み出していて、それがたまたま他のジャンルに似ているだけなのだ。そしてそれは、ミニマル・ミュージック、数学ロック、フットワークなどに関連して彼らのスタイルに起こったことと同じだ。
空感台は差異と反復のバンドだ。彼らは反復の中で差異を作り(聴き)、差異の中で新たな反復を作る。(差異を伴う)反復と(反復を伴う)差異を繰り返すことで、思いがけない音とユーフォニーを生み出す。差異と反復が音楽なのだ。「Tracks』は、今この瞬間のバンドの躍動感、強靭さを映し出すものであり、この比類なきミュージシャンにとって可能な限り最高の成果なのだ。
- 佐々木敦
from linernotes PDF(en)
faderbyheadz.com/leftbrain/tracks_notes_en.pdf