Element – Particular Angle
Element – Particular Angle
レーベル: Newdubhall – ndh-005
フォーマット: 10", 45 RPM
A1 Particular Angle
B1 Blurring Off Into Its Opposite
盤質: NEW
スリーブ: NEW
Undefinedの二人が主宰する日本のダブ・レーベルNewdubhallから、Babe RootsやDeadbeatに続きRiddim Chango主宰のElementがリリース。
A面はダブ、B面はアンビエントというレーベルからの依頼で、今作もダブが持つ可能性の拡張を試みた作品。
Elementのスタイルの軸であるダブA面は、音数少な目でモノクロームな雰囲気を醸しつつ、シンセ・フラッシュで浮かび上がる筋肉質なリディムの陰影は見事。
Bokeh VersionsとRiddim Changoが共同リリースした12インチでもエクスペリメンタルな要素が垣間見られたElementが、今作B面ではダブを解体。ループやスクリューでリディムはバラバラになり、次元の狭間へと迷い込んでしまったかのようなトリッピーなドローン宇宙が広がるダークな音世界、、!(「2001年宇宙の旅」でモノリスに入ったシーンを思い出した)
自身のノートでも語っているように、ヒロシ君が長年ロンドンで浸みこませてきたダブの、メタファーとして生み出された独自性の高いアンビエント/ドローン作品となっています。僕的にこれは食わず嫌いせずゆっくり噛んで聴いてほしい、、!
_______________________________
Babe Roots、Deadbeatといった海外のモダン・エレクトロニック・ダブの先鋭たちをリリースしてきたNewdubhall。第五弾となるアナログ・シングル・リリースは、主宰
Undefined以外では初となる日本のトラックメイカー、Elementをフィーチャー。
それぞれソロ・アーティストとして海外のサウンドシステム~ダブ・シーンからも評価の高い、Sak-Dub-I、Dub Kazumanとともに、Dub Meeting Osakaの一角を担う、ElementことHiroshi Takakura。また彼はBim One Productionの1TAとともにレーベル〈
Riddim Chango〉も主宰している。長らくUKを拠点に活動し、現地のサウンドシステム~ベース・ミュージック・カルチャーを骨の髄までしみこませて帰国、最近では関西から東京へと活動の拠点を移し、ベース・カルチャーを根底に、新旧さまざまなサウンドを横断する、そのDJプレイも話題となっている。また前述のDub Kazumanとの
Night Scoopsや、またソロとしても、レフトフィールド・ダンスホール・コレクティブ、Duppy Gunをフィーチャーしての、Bokeh VersionsとRiddim Changoのダブルネームの12インチをリリースするなど、ニュールーツからダンスホール、さらにはグライムなどのUKのモダン・ベース・ミュージックのエッセンスがミックスされたオリジナリティあふれる作品をリリースしている。
Newdubhallの5枚目のリリースとなった本作でも、まさに一筋縄にはいかないオリジナリティあふれるトラックを提供している。A面にはギンギンなシンセ・フレーズが空間を切り裂く、スローモーなニュールーツとグライムが正面衝突したような、ヘヴィーウェイトなダブを、そしてB面にはそのヴァージョンとしてドラムを抜き去り、ドローン・ノイズと低音が支配し、空間を圧迫するような重厚かつ強烈なインダストリアルなアンビエント・ダブを披露。まさにレフトフィールドなエレクトロニック・ダブの最前衛がここにある。
河村祐介